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Channel: 平尾台自然の郷野草勉強会
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平尾台野草勉強会春便りⅡ

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前回イヌノフグリを観察に出かけましたが
見当たらず 周辺の民家の石垣に咲く花の撮影に行ってきました。

イヌノフグリ
面白い文献を見つけました。
イヌノフグリには現在我々が目にしている石垣型と,か
つての主流派であった地面型という生活型の二型があ
るのかもしれない。と言うのです。

オオイヌノフグリが侵入・定着した地域のイヌノフグ
リは,オオイヌノフグリとの間で種間送粉が生じ,そ
の結果としてイヌノフグリの繁殖成功が低下するのか
もしれない.もし,両種の間にそのような相互作用が
存在するのであれば,イヌノフグリはオオイヌノフグ
リと同所的に生育することができなくなってしまう。





地面型のイヌノフグリの生育地での アリはイヌノフグリ周辺の地表を歩き回り,
地面に落ちた種子をくわえて運んでいた。


石垣型イヌノフグリでの観察では,アリはイヌノフグリ上
を歩き回り,裂開した果実から直接種子を運び出していた。





イヌノフグリの果実は和名の由来となっている独特な形をしているが,種子が成熟したと
きには大きく裂開し種子が露出する.このとき,果実が下を向いて裂開すれば種子はそのままこぼれ落ち,
上を向いて裂開すれば種子は露出するだけで果実の中にとどまる可能性が高くなるだろう.野外で,裂開し
た果実の向きを記録したところ,地面型では下を向いて裂開し,石垣型では上を向いて裂開することが多い
傾向があった.さらに,果実が下を向いて裂開した場合にも,石垣型の個体では,種子がこぼれにくい傾向もあった
このように,地面型と石垣型の違いは,種子散布者アリとの関
係の違いであることが示されつつある。





台上では地面型がみられる環境にあるのがオオイヌノフグリが繁殖して
来ているのでその存在も難しくなっている。

私の知るのり面に咲いていたイヌノフグリは最近姿を見せなくなっている。
近くに石垣を見つけて探してみるのも面白い探検です。

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